元気村「村長通信」

自給自足コミュニティ、活動日誌。

解決できないことを悩む

 元気村の朝は、日に日に寒さを増しています。今朝の蔵王連峰にも冠雪があり、冬が間近に来ていることを感じさせます。

 一方で、野菜は甘味を増し、雪菜、ホウレンソウ、大根等が美味しい季節になりました。無人販売もおかげさまで順調です。ありがとうございます。

 ところで、人間は悩むものですが、解決しない悩みを悩むこともあり、悩む意味がなく、悩みの堂々めぐりをする人もいます。精神科医和田秀樹さんが、「悩みには解決できることと、できないことがあります。一番まずいのは解決できないことを悩むパターンです。」と書いています。引用します。

和田秀樹著:『「すぐ動く人」は悩まない!』(祥伝社)

そもそも悩む方向が違うのです。過去ではなく、解決できる悩みに目を転じましょう。

会社が嫌なら、入ったことを悩むのではなく、どうしたらその嫌な状況から脱することができるか、そのことについて悩めばいい。

そうすると、解決の糸口をいくらでも見出せるようになってきます。

取引先の中途採用がどうなっているかを調べる、友人、知人と会って彼らが勤めている会社に転職できないかどうかを聞いてみる、転職情報サイトをとことんあたる、起業について勉強する……。

すぐにはいまの状況が変わらなくても、悩みは行動に直結しています。行動すれば、必ず結果が出ますから、その結果に応じて、さらに解決のための糸口を探ることができます。

行動は、悩みの解決に向けての確かな一歩になるのです。そうして一歩ずつ、歩みを進めていけば、いつかは現状脱出にいたるはずです。

恋愛も付き合ってしまったことをいくら悩んでも仕方がありません。修復する手立てはないか、すっぱり別れるか、別れた後どうするか……。悩みどころはそこです。

それらの悩みなら、一度じっくり話し合ってみる、腹をくくって別れ話を切り出す、新たな出会いのための方策を講じる、などの行動につながります。

これもまた、「悩み→行動→(結果に応じての)悩み→行動……」という方式で、必ず解決することができるのです。

悩みの方向を「変えられること」へ向ける

過去と同じように、変えられないことを悩むのも、悩みを深めることにしかなりません。

たとえば、人前に出ると顔が赤くなる人がいます。それが、人前に出るのが恥ずかしい、人付き合いがうまくできない、という悩みにつながっています。

しかし、その人が顔が赤くなることをいくら悩んでも、顔が赤くならない人になることはできません。顔が赤くなるのは体質、あるいは生理現象ですから、当然です。つまり、その悩み方では解決できないのです。

一方、悩み方の方向を、人前で赤くなっても恥ずかしくないようにする、人付き合いがうまくできるようになる、というふうに変えたらどうでしょうか。これは解決策が見つかりそうです。もっとも端的なのがこれ。

「僕は人前に出ると顔が赤くなってしまうんです。気にしないでくださいね」

そう率直に告げられたら、相手は悪い印象を持つどころか、好感を持って受けとめるのではないでしょうか。

相手が受け容れてくれたらこちらが恥ずかしいと感じることもありませんし、顔が赤くなることがその人と付き合ううえでハンディキャップになることもありませんよね。

「私は尊敬する(大好きな、偉い、立派な)人の前に出ると、顔が赤くなっちゃうんです」

これはさらに上級な言い方。相手の心をのぞけば、「そんな、そんな、私ごときで顔を赤くしていただいて、かえって照れるじゃないですか」といった感情が渦巻いているに違いありません。それがこちらに対する好感度をグングン上げることは疑いを容れません。

人前に出るのが恥ずかしい、人付き合いがうまくできない、という悩みはアプローチの仕方によってあっさり解決できるのです。

変えられない容姿を悩むより、丁寧な言葉遣いを磨く

容姿に自信がないという人も、そのことを悩んだからといって、容姿が変わるものではありません。もちろん、整形手術を受ければ多少の“好転”は望めるかもしれませんが、あくまでちょっとした修正にすぎません。

それよりは、いまの容姿のままで人とどうかかわっていくか、どのようにしてよい印象を持ってもらうか、いかに異性に好かれるか、といったことを悩むほうがいい。これならば、いくらでも解決策があります。

美しい、丁寧な言葉遣いを心がける、きめ細やかな配慮をする、他人に対する思いやりを深める、やさしさに磨きをかける……。それらはどれも“やる気”一つですぐにでも実践できることです。

誰もが振り返らずにはいられないような容姿端麗ようしたんれいの人でも、言葉遣いがぞんざいだったり、乱暴だったりしたらどうでしょう。おそらく、その魅力は大幅にダウンとなるはずです。

それに対して容姿はそれほどでなくても、美しい、丁寧な言葉遣いをする人の魅力は、言葉を交わすほどにアップしていきます。

10人が10人とまではいいませんが、前者より後者に好印象を持つ人は、少なくないのではないでしょうか。好印象にとどまらず、かれるという異性も絶対にいます。配慮、思いやり、やさしさについても同じことがいえます。

変えられないことを悩み続けてもラチがあきませんが、変えられることを悩んだら、必ず解決にまでたどり着くのです。

どちらの悩み方が賢いか、考えてみるまでもありませんね。