元気村「村長通信」

自給自足コミュニティ、活動日誌。

評価を告げる仕事は重い

 このブログで度々、上司と部下の関係を取り上げていますが、上司の仕事として、部下の評価というものがあります。評価が高い人に対するフィードバックは楽なのですが、低い人へのフィーババックはなかなか辛いものがあり、どのようにして、モチベーションを下げないように、次のステップに進めるようにアドバイスできるか、頭を悩ませます。(笑)

 

上司と部下

 Books&Appsの安達裕哉さんが、「仕事の評価」と「人間としての価値」は別。という記事を書いていました。なるほど納得です。

「仕事の評価」と「人間としての価値」は別。 | Books&Apps (tinect.jp)

・・だが、繰り返しになるが、「低評価」を告げるのは、上で述べたように「イヤな仕事」だった。

 あなたの評価はこのくらいで、昇給に必要な成果を満たせていません、だから昇給無しです、と告げると、中にはいい大人なのに、我を忘れて怒ったり、涙ぐむ人もいる。

 しかし、そもそも、評価基準と数値が公開されているから、かなり前から、評価はほぼ分かっていたはずだ。高評価と昇給を勝ち取りたいなら、行動すればいいし、その方法は誰にでも公開されている。だから低評価は「自業自得」としか言いようがない。だから、期末はいつも、心が重かった。

 その評価が近づいたある日、わたしは上司に「評価を告げる仕事は重いですよね……」と、こぼしてしまった。「低評価は、あらかじめわかっているはずなのに、なんで怒ったり泣いたりするのですかね」と。

 すると、上司は言った。「低評価をもらうと、その人たちは、「人間の価値」と「働きぶりの評価」を混同してしまうんですよ」

 どういうことですか、と聞くと、彼は言った。「仕事で低評価をもらうと、お前の存在価値はない、と言われたように感じる人が多いんですよ。本当はこの1年間、たいして成果を出せなかった、と言われているだけなんですが。」

 

 なるほど、と思った。低評価をもらったときの、あの感情の昂ぶりかたは、存在を否定されたように感じていた、ということなのだ。

 上司は続けて言った。「だから、評価を告げる前にできるだけ「あなたの人間性とは関係ないですよ、あくまで仕事の評価に過ぎないですよ」と告げておいた方がいいと思います。」

 

 それ以来、私は「あくまでも、この評価は直近1年の、仕事の成果に関するもので、あなたの人間性や、考え方を否定するものではないです」

と前置きしてから、低評価を告げるようにした。

 すると面白いことに、中には反応が大きく変わる人がいたのだ。反省し、素直にアドバイスを求める人も出てくるようになった。評価がやりやすくなり、面談もポジティブなものが増えた。わたしは、上司の人間に対する本質的な洞察には、驚かざるを得なかった。

 

「仕事の評価」と「人間としての価値」は別。当たり前のことなのだが、それを告げるのと、告げないのとでは、大きく人間の反応は異なる。仕事ができないからといって、彼らへの配慮が必要なくなるわけではない。最低限のプライドが維持できるよう、言葉遣いに気を配るのも上司の役割、ということなのだろう。

・・ということです。しかしながら、「仕事の評価」と「人間としての価値」は別。というのは、評価される部下だけではなく、評価する上司にも必要な認識だと、深く思います。(笑)