元気村「村長通信」

自給自足コミュニティ、活動日誌。

日本の男性は「死」に対して女性より憶病?

 今日は、昨年食べて美味しかった中晩生の枝豆「黒五葉」を播種しました。また、来年の味噌づくりに使う大豆として「秘伝」、そしてあずきの「大納言」も播種。着々と「秋」の用意も怠りなくやっています。(笑)

 一方で「草」がその行く手を阻みます。(笑) 玉ねぎの後作として植えた「カボチャ」やサツマイモの苗植えイベントでみんなに植えてもらった「落花生」等が草の中で窮屈な思いをしています。救出しなければ・・・(笑)

朝採りレタス。まいう~

カボチャを救出

めっちゃハードルが高い落花生の救出

 ところで、おかげさまで毎日身体に適度な負荷をかけながら、ピピンキラリと生きています。そしてピピンコロリと逝くのが目標ですが、日本の男性は「死」に対して女性より憶病のようです。(笑)

 医学博士の長尾和宏さんが、ブログの中で、「日本においては、死生観にもジェンダーギャップが存在しているようで男性のほうが死を考えることを拒否する傾向にあります。」と説明しています。そうなんだー。引用します。

楽しみながらの終活|Dr.和のフーテン医者日記 (drnagao.com)

コロナになる以前は、尊厳死や終末期のことを話してほしいと、全国各地から講演会の依頼が年に何十本もありました。日本尊厳死協会の副理事長を拝命しているので、休日を返上し東奔西走していましたが、どの会場に出かけても、同じ現象が起きていました。

 

会場の7~8割が女性なのです。長尾は女性ファンが多いことを自慢しているのかって? いえいえ、そうではありません。「死」がテーマの講演に、男性はあまり足を運んでくれないのです。

 

「今日は夫と一緒に来る予定だったのですが、死の話なんか聞きたくないよって逃げられました...」なんて女性から声をかけられることもよくあります。

 

 他の国がどうなのかはわかりませんが、日本においては、死生観にもジェンダーギャップが存在しているようで男性のほうが死を考えることを拒否する傾向にあります。「俺はもういつ死んだっていい」と嘯いているものの、「そろそろ終活しましょう」と妻に言われると、「冗談じゃないよ」と怒り出す夫も珍しくありません。

 

そんななか、この人の終活は完璧だったようです。  

 

俳優の中尾彬さんが、5月16日に東京都内の自宅で死去されました。享年81。死因は、心不全との発表です。

 

「今年に入って足腰が悪く体力も落ちて、医師の訪問を受けながら、本人の意思により、自宅でゆっくり休んでおりました(中略)。15日に容態が急変し、16日の夜中に自宅で私と二人の時に、とても穏やかに本当に眠るように息を引き取りました」  

 

中尾彬さんと池波志乃さん夫妻は、2018年に『終活夫婦』(講談社刊)という本を出版しています。夫婦の終活の一部始終を、ふたりの視点で書かれたとても貴重な一冊です。

 

本書によれば、ご夫婦が終活をしようと考えたのは、2006年に志乃さんが「フィッシャー症候群」という難病に、翌2007年には彬さんが「急性肺炎及び横紋筋融解症」を発症し、生死をさまよったことが大きかったようです。そこから夫婦で話し合い、遺書を作成し、お墓をつくり、沖縄と千葉のセカンドハウスを処分。

 

その後も、周囲のモノをどんどん整理していきました。  本を読んでいて気が付くのは、お二人が、悲壮感を漂わせずに、とても楽しみながら、モノをどんどん片付けていっていること。

 

そして「彬も私も、葬式はもちろん、延命治療もいらないと思っています」と志乃さんは書いています。さらに彬さんは、友人や仕事仲間など人間関係の断捨離まで始めていたようです。

 

そして最後に残ったのは、夫婦という関係...死生観を語り合えた先に、男と女の新しい形があるのかもしれません。