今日は、サラリーマン生活最後の出張でした。最後ですので、後悔しないように「美味しいランチにしよう!!」ということで、いろいろ考えましたが、結局は「蕎麦」にしました。(笑)
県境は吹雪模様で、ヒヤヒヤしながら山越えしてきました。途中スリップしたトラックがあり、パトカーが出動していました。何事もなく帰れて何よりでした。ありがたや、ありがたや。
ところで、車浮代著「蔦重の教え」(双葉文庫)がなかなか面白いです。「なるほど」というところがいっぱい出てきます。今回は「駕籠に感謝」です。引用します。
「何をされているのですか?」
私は蔦重を見上げて尋ねた。蔦重は左手を駕籠の屋根に置き、右手を顔の前に立てて、駕籠に対して何かを拝んでいたのだ。
「おめえのことを頼んでおいたから、おめえも降りる時は礼を言うんだぜ」
「駕籠にですか?」
「当たり前だ。駕籠だけじゃねえ、船だって、馬だって、乗せてくれるからには仁義を切るもんだ」
「へえ・・・」
「挨拶ってのはよ、人にだけすりゃいいってもんじゃねえぜ。出かける時の『行ってまいります』も、帰ってきた時の『ただいま戻りました』も、余所へ行った時の『お世話になります』も、家や土地にもきっちり礼を尽くさなくちゃな。おかげさんで俺たちは生かされてんだからよ。・・・・さあ、行った行った」
私は改めてこの時代の人々の信心深さに感じ入っていた。