元気村「村長通信」

自給自足コミュニティ、活動日誌。

好意の返報性

 昨日は出勤日でした。「食品ロスの解消」についての提案をしてきました。大変喜んでいただいて、一緒に取り組むことになりました。これから多くの企業の皆様にも提案していくことになります。仕事冥利につきます。(笑)

 ただひとつ社内から心配されたのは、「いい提案だが、わが社の商品を必ず使うという縛りがない。誓約書や合意書をとった方がいいのではないか?」ということでした。

 私は、相手が「いい提案をありがとう」という反応を示してくれるだけでありがたい。そんな反応があった相手が、もし、わが社の商品を使わないのであれば、「これからのお付き合いをやめた方がいいという証」だと思う。さらに、こんな「恩を仇で返す対応」をするような相手は、ほんの一握りだと思われる。そのために、「誓約書等の取り交わし」に時間をかけるのはコスパが悪いと返しました。(笑)

 相手から受けた好意や敵意などのアクションに対して、「お返しをしたい」と感じる人間にとってごく自然な心理のことを返報性の原理と言いますが、これを信じて行動した方が、「楽に生きられる」と思います。

間もなく食べ頃。大根。

やっと結球し始めた白菜

サニーレタスも、もう少しで食べ頃

 ところで、「返報性の法則」について、精神科医で作家の「樺沢紫苑」さんが解説していますので、引用します。

・・認知症のお舅さんを介護しているお嫁さんから、相談を受けました。

いくら介護をしても、悪口や嫌味、悪態ばかり。黙って介護されていればなんとか頑張れるものの、精神的にも限界だと。

 そこで私は彼女に「そんなあなたの、介護したくないという気持ちが、

お舅さんに伝わっているのではないでしょうか?」と質問しました。彼女は無言になってしまいました。

 介護でも「返報性の法則」は存在します。イヤイヤ介護していると、それは介護される側にすべて筒抜けになります。結果として、それが介護への抵抗、悪口や悪態、興奮や暴力など、「悪意の返報性」として返ってくるのです。介護する人が心から明るい気持ちで介護していると、介護される側も明るい気持ちになって、気持ちよく介護を受けてくれるのです。

 そこで、彼女にアドバイスしました。1週間だけでいいので、「お舅さんと初めて会った」と思い込んで心の中を空っぽにしてください。そして、心を込めて、献身的に、笑顔で介護してください。

 彼女は最初「そんなことはできません!」と否定的な態度を示していましたが、「1週間で、必ず相手の態度は変わります」と私が断言したのを聞いて、「それなら、なんとかやってみます」と言いました。

 1ヵ月後に彼女が来院しました。陰鬱な表情はどこにもなく、笑顔で言いました。「おじいちゃんが変わりました!」数年の介護の結果、悪口や悪態が日常的となり泥沼となった嫁舅関係。それが、「好意」を持って1週間接しただけで、お舅さんの態度は柔らかになり、悪口や悪態もなくなり、最期には「ありがとう」と感謝の言葉まで口にしたのだそうです。

 

 「好意の返報性」は、非常に普遍的な心理法則ですから、認知症になって理解力の低下した方にも、すべての人に効果があるのです。

 重要なのは、先に「悪意」を引き下げて、「好意」を差し出すのは、自分でなければいけないということです。

 言うのは簡単ですが、これはとても難しい。なぜならば、既に泥沼の関係になっているということは、「悪意」と「悪意」のキャッチボールをしている「悪意の返報性」にすっぽりとはまった状態です。その状態で、

いきなり「好意」を投げるのは、相当の勇気と思い切りが必要となります。しかし、このように「悪意」を「好意」に変えることによって、人間関係をリセットすることは可能です。

 私の経験では、このアドバイスを受けて、きちんと実行した方は、全て成功しています。あなたも、泥沼の人間関係を「好意の返報性」によって

覆すことが可能なのです。